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  • 2021.09.16
  • お客さまストーリー
時の経過という価値

写真の時計はお店にある柱時計です。この時計にはあるストーリーがあります。実はこの時計、里帰りをしてきた時計なのです。

 

5,6年前に、ある老舗の喫茶店が惜しまれつつも閉店しました。その喫茶店の名は「東京」。岡山で初めての純喫茶で、当時の流行に敏感な若者が集う名店でした。

 

閉店するという事で、最後にコーヒーを飲みに行ったところ、壁にかけてあった柱時計が目に留まりました。社長と二人でコーヒーを飲みに行っていたので、社長に、この柱時計、味があるねと言ったところ、社長から思わぬ一言が発せられました。なんと、この時計は、昭和中期に私たちのお店から納品された時計だというのです。

 

ダメ元で、喫茶店のオーナーに、この時計を買い戻せませんかとたずねたところ、快く承諾していただき、現在はジュエリー・タナカの店内で時を刻んでいます。

 

手巻きの時計で、2週間に一度は時間を合わせなければすぐに遅れてしまいます。決して正確な時計ではありませんが、この時計には、その経てきた時間を感じさせる味わい、深み、雰囲気があります。

 

宝石は何億年という想像しがたい長い時を経て私たちの前に存在するものです。表面的な輝きも美しいですが、その奥にある何億年という時間の経過が宝石の魅力でもありますね。

 

更に、スリランカやミャンマー、ブラジルの様に、異国の地で結晶した石というロマンも加わって、宝石は私たちの心にワクワクを与えてくれるのだと思います。